子育てニュース 診察室(夕刊掲載)

2007年11月19日

診察室(07・10・31)

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Q 孫の左利きを治したい
 3歳10カ月の孫は箸(はし)、ペン、はさみと何でも左手を上手に使っています。生後ずっと左利きのようです。孫の両親も幼稚園の先生も、無理に治さなくていいと言っています。祖母である私は古い人間なので、今のうちなら治せると思うのですが。

A 大脳の働きと関係 子どもにとって負担
 利き手は大脳の働きと深く関係しています。大脳は右脳と左脳の2つに分かれており、人の体の真ん中から右側は左の脳が、また左側は右の脳が働いて命令を送っています。つまり右手を使うときは左脳が働き、左手を使う時は右脳が働きます。大人で脳卒中後遺症のため右手が使えなくなった方の多くは、左の大脳が損傷されています。
 さらに脳は場所によって働く内容が異なってきます。例えば目から入った情報に対しては脳の後ろ(後頭葉)が働き、耳から入った情報は脳の横(側頭葉)が働く、といった具合です。その中で言葉を理解したり話したりする場所(言語中枢)は、右利きの人の90%以上が左脳です。一方、左利きの人の半数以上は右脳が働き、残りの左利きの人は両方の脳が働いたり、左脳が働いたり、とバラツキが出てきます。
 このように言語中枢と利き手は深く関係しており、生まれつき決まっている場合が多いので、利き手を治す、ということは子どもさんにとってかなりの負担となります。お孫さんは既に4歳近く、この年齢ではほぼ利き手は決定していると思われます。ということは脳の中でも言語中枢の場所が決定し、話すことや言葉を理解することをコントロールしていると思われます。
 昔は根性で治した、という場合もあったかと思いますが、現在ではそのような余分なストレスを加えるよりは、自由に遊び、経験を広げ、言語力を育てた方が子どもさんにとって良いと考えるのが主流です。左利きの人は器用だとか、左利きを治そうとすると吃音(きつおん)になる、といった俗説には根拠が乏しいのですが、やはり育ちつつある大脳機能への余計な負担はかけない方が良いように思われます。
 (県立こども病院言語聴覚士 北野 市子)

投稿者:ぱぱ記者 : 2007年11月19日 09:16

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