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Vol.36 旧清水屋呉服店 (浜松市北区) 火事への備え丁寧に



 江戸時代、姫街道の三ケ日宿本陣として栄えた浜松市北区三ケ日町三ケ日の四辻交差点西。測量のため伊能忠敬も宿泊したという本陣跡の向かいに、木造2階建て「旧清水屋呉服店」が優雅な姿を残している。


 1850年(嘉永3年)の創業以来、高級呉服店としての評判は三河地方へも広まり、連日遠方からの客でにぎわった。火災によって1906年(明治39年)に現在の姿へ建て替えられ、防火対策として周りをしっくいで囲った。

 同町の一級建築士井口雅之さんは「当時の家屋には珍しく、軒裏や蔵にまでしっくいが丁寧に施されている。2階窓枠には鉄格子の跡がありますが、戦時中に供出したのでしょう」と説明する。

 4代目の小池太郎さんが亡くなる約30年前まで営業は続いた。現在も妻うめさん(84)が暮らし、広々とした入り口の売り場跡で、今日も訪問客を温かく迎え入れている。(2008年8月28日静岡新聞朝刊掲載)

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