Vol.35 沢野医院記念館 (袋井市川井) 和と洋見事に融合
袋井市の旧東海道沿いに立つ沢野医院記念館は、真っ白な洋風の診療部分と純和風の居宅部分のコントラストが美しい。居宅は安政2年(1855年)、診療部分は大正5年(1916年)の建築。記念館の改修にかかわった同市高尾の一級建築士鈴木敬雄さんは「建築年代、様式が違う建物が見事に融合している」と話す。
沢野医院は享保12年(1727年)の「山名郡川井村差出明細帳」に既にその名が記され、代々地域医療を担ってきた。医院の向かいに住む小坂三男さん(68)は「厳しい先生だったが、何でも診てくれたので待合室はいつも一杯だった」と懐かしそうに振り返る。
昭和56年に閉院となったが、沢野家から建物の寄付を受けた市が全面的な改修を施し、平成12年に記念館としてオープンさせた。周辺の住民26人が世話人会をつくって管理運営を担い、毎週土、日曜に一般公開している。(2008年8月21日静岡新聞朝刊掲載)

