Vol.22 旧浜松銀行協会(浜松市中区) 明るさ漂うスペイン風
旧遠州銀行本店(現静岡銀行浜松営業部)とともに戦災を免れ、浜松市内に残った貴重な戦前の近代建築の1つが「旧浜松銀行協会」(中区栄町)だ。設計は同じ建築家・中村與資平。明治13年、長上郡天王新田村(現同市東区天王町)生まれの東京帝大卒。設計事務所時代に欧米を巡り、その経験が建物に反映された。
「アーチを玄関や窓に多用した当時最新のデザインで、とてもおしゃれな造りです。車寄せの上にはバルコニーもあり、戦前では注目の洋風建築だったと思います」
県建築士会浜松支部まちづくり委員会の原田勝弘さん(44)が説明する。開設は協会前身の「浜松銀行集会所」として昭和5年。関係者のサロン的存在で、前庭に外観は白壁に緑の瓦、と明るいスペイン風になっている。
「内部を見ると、人造石の研ぎ出しの階段手すりや玄関のステンドグラス、と職人の技も随所に光っています」
昭和初めの夢の詰まった建物は今、市登録有形文化財として保存されている。(2008年5月15日掲載)
