Vol.21 旧遠州銀行本店(浜松市中区) 県内近代建築の記念碑
第二次世界大戦の戦災でほとんどの建物が焼失した浜松市中心部。その中で取り壊しも免れ、ほぼ完全な形で残る戦前建築物の代表が旧遠州銀行本店(現静岡銀行浜松営業部、中区田町)だ。
「静岡市役所も設計した、明治生まれの建築家・中村與資平が県内で初めて本格的に手がけた建物で、県内近代建築の記念碑的な存在です。ギリシャ、ローマ建築の流れをくむ正統古典主義の造りで、中村の代表作でしょう」
こう話す県建築士会浜松支部の土屋和男常葉大准教授(39)は価値に注目し、市指定文化財の調査にも加わった。建築は昭和3年。県内初の鉄骨鉄筋コンクリート造りで、堅固な構造が吹き抜けの大空間を可能にした。
「外の見所は渦巻き型柱頭のイオニア式円柱4本。安定感を表す欧州のデザインで銀行の信用を象徴しています」
当時「県下随一」と言われた総工費45万円をかけた最高レベルの建物。今は隣に最先端のビルも建ち、新旧共存のモデルにもなっている。(2008年5月8日掲載)
