Vol.12 旧御宿陣屋(浜松市天竜区) 二俣の人と文化育てる
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浜松市天竜区の二俣町が宿場町として最も華やいだのは、明治から昭和の初め。中心部のクローバー通りには当時のにぎわいを思い起こさせる建物が数多く残り、中でも目を引くのが「旧御宿陣屋」だ。 |
「もとは旅館で、林業が栄えたころは相当にぎわったことでしょう。当時の木造3階建ては大変貴重だし、二俣が何度も大火に見舞われながら残ったことは幸運です」
地元の一級建築士で大工仕事にも詳しい中谷悟さん(58)が説明する。家主の鈴木秀昭さん(68)によると、建設は昭和初期。もとは「福田屋」という旅館で、昭和20年代後半に陣屋が受け継いだが、10年前に閉めた。
「銅板に覆われた戸箱を見ると、亀の甲羅模様が施されています。当時の職人の心意気が随所に垣間見えます」
「ミシュランガイド東京版」で3つ星に選ばれたすし屋「すきや橋 次郎」の店主小野二郎氏が、福田屋時代に修業していたことでも知られる。人と文化を育ててきた二俣町らしさを象徴する建物の1つだ。(2008年2月21日掲載)
